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こんにちは、慎です。
転職活動をする際に、必ずや選択肢として考えるベンチャー企業への転職で、いくべきか迷ったことはありませんか?
私自身も転職支援をする中で多くの転職者の方から「ベンチャー企業って実際はどうなんですか?」と質問を受けることがあります。
ベンチャー企業には憧れはあるものの、働き方・成長性に懸念が残る方が多いようです。
- ベンチャー企業は多くの会社が立ち上がり、多くの会社が数年以内に倒産をしているイメージがある
- ベンチャー企業は大手企業のように設備も制度も整っていないので激務が強いられるイメージがある
上記のような部分に懸念を示している方が多く、下記のような悩みを抱えている方に対して解説をしています。
結果、自分自身がベンチャー企業にいくべきかどうか、行くとしたら転職活動時に何を気をつければ良いのか知ることができます。
ちなみに、ベンチャー企業から大手への切符はまだまだ難しいのが実情です。「ベンチャーから大手の転職ってどうなの?【大手企業の人事に聞いた】」で解説をしていますので併せてご覧ください。
この記事は下記のような方におすすめです!
- ベンチャー企業に興味はあるけど、将来性とか働き方について不安があって転職を躊躇してしまっている人
- ベンチャー企業の中でも、伸びゆく会社とそうでない会社があるけど、どう見分けたら良いのかを知りたい人
- 倒産をしてしまうベンチャー企業の兆候について知りたい人
倒産リスクは、どの企業にも少なからず存在はしますが、特にベンチャー企業は設立まもなく、まだまだ収益の基盤も盤石とは言えず、経営基盤の不安定さは否めません。
ただ、着実に成長をしていくベンチャー企業がいる一方、残念ながら倒産を迎えてしまう企業がいて、優劣の差がはっきりとしているのもベンチャー企業の特徴です。
だからこそ、大事なことは「自分に合った、伸びゆくベンチャー企業を見分ける」ということになります。
その方法について徹底解説をしていきますので、最後までお読みください。
この記事を書いている人
- 人材業界経験17年目
- 転職経験3社
- ブラック企業での勤務経験あり
- 2000名以上の転職相談
- 1000社以上の支援実績
- ド底辺から社長賞受賞まで経験
- 現在は人材紹介に従事
転職経験ゼロの方を中心に、不安を取り除き安心できる転職ノウハウや、会社の「リアル」な側面を余すことなく解説しています。
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この記事を通じて、潰れるベンチャー企業、成長する企業の双方の特徴を解説し、転職活動を行う上でどのようなベンチャー企業を志望したら良いのかを決定づけることができるようになります。
ベンチャー企業とは、どんな会社のことを言うのか?
ワンポイント
- ベンチャー企業とは概念であり、明確な定義はない
- イノベーションを起こし変革を推進していく企業のことを指す
- ベンチャー企業とスタートアップ企業は似ているが少し異なる存在
- ベンチャー企業の設立は2014年以降「横ばい」が続いている
主観になってしまいますが、ベンチャー企業は大変大きな経験が積めるため一生涯に一度は転職をして経験を積む方が好ましいと考えています。「大手からベンチャー転職は、一生に一度は必ず行うべき「5個」の理由」で詳しく解説をしています。
ベンチャー企業の定義は下記とされています
結論ベンチャー企業という明確な定義はありませんが、参考として経済産業省の唱える「ベンチャー企業」に該当をする企業は以下のように定めています。
ベンチャーとは、新しく事業を興す「起業」に加えて、既存の企業で あっても新たな事業へ果敢に挑戦することを包含する概念である。
経済産業省:ベンチャー有識者会議より
ベンチャーは、産業における新成長分野を切り拓く存在であり、雇 用とイノベーションを社会にもたらす、経済活力のエンジンである。
革新的なアイデアや技術をもとにして「新しいサービスを開発し展開していく企業」と定めているようです。
会社の規模感は小規模の事業者を指す場合が多く、現在の事業社数は直近データによると「13万社」程度存在すると言われています。
また新規上場の件数においても2014年までは右肩上がりで推移していますが、ここ最近は横ばい状態が続いています。
つまりベンチャー企業は増えているものの、上場まで到達する企業の割合は減少していることがわかります。
その中でも、特にイノベーションの創出を追求し、短期間に急成長をしていく企業を「スタートアップ企業」と呼んでいることが多く、当該企業は1,800社ほど存在をしています。
ちなみに、社内ベンチャーという言葉がありますが、これはベンチャー企業とは異なります。「社内ベンチャーとは何か【無くなる仕事があるので生み出す必要がある】」で詳しく解説をしています。
最近はコロナの影響により大手・ベンチャー問わず、倒産件数が増加中
コロナ禍の厳しい中で、辛い立場の中小企業は多く存在します。2021年1〜6月までの倒産状況のデータを紹介します。
日本は大企業含めて、280万社ほどの企業が存在しており、そのうちの0.1%が倒産となっています。
これは1,000社に1社の倒産件数となり厳しさを物語っています。
ただ、倒産が増えるのはこれからだと言われています。
新型コロナウィルスの影響により、経営に行き詰まりを見せている企業が多数あると言われています。
ただ、現在では手厚い補助金支給により事業を継続できている企業が多いとのことで、多くの倒産が回避されている現状があります。
しかし、この給付金もいずれは支給されなくなり、大手・ベンチャー問わず多くの企業が倒産をしていく可能性があるということが問題視されています。
そのため資本力が弱いベンチャー企業は大変な苦戦を強いられている可能性が高いです。
ベンチャー企業が倒産する兆候について
まとめると、こんな兆候のベンチャー企業は即回避
- 経営が厳しくなると、社員に対しての還元が悪くなり、◯◯◯が増えるため常に求人をしている
- 経営の数値を理解している◯◯◯の職種の方が、真っ先に辞めるようになる
- 意味もなく、◯◯◯が増え、不毛な時間が過ぎていくようになる
- 経営が悪くなる理由は経営者にあった、◯◯◯のような経営者は要注意
- ビジネス上の顧客が◯◯◯が中心となり、非効率な営業展開をしている
【予兆1】求人が頻繁に出るようになる
倒産をする可能性のある企業においては、その事実を知りえた社員が次々と辞めていく現象が起きます。
当然ですが将来性がない企業にいつまでも身を置いている人は少なく(愛社精神が強い方は別)自身の給与が保証をされなくなる可能性をリスクに感じ、人が辞めるようになります。
その結果、事業を継続するための人員すらいないという状況が生まれ、会社は事業を継続しようと躍起になり、欠員募集として求人広告が頻繁に出るようになります。
そして広告費をかけて募集をしては人が辞め、また採用をするという負の連鎖が始まるようになり、当然ながら採用をするための費用が増大して、さらに経営を圧迫することになります。
ちなみに、性格的にベンチャー企業が全く合わない人もいます。「ベンチャーの転職で後悔【こんな特徴の方は、ベンチャーはやめとけ】」の記事で詳しく解説をしています!
結果、本業の収益が悪化をして、さらに倒産のリスクが高まるという構図が生まれます。
大手のように企業規模が比較的大きく、増員をしている傾向のある企業であれば求人広告の出稿頻度はさほど気にしなくても良いです。
しかし中小企業で頻繁に求人広告が出稿をされていたら要注意です。
【予兆2】経理の方が定着をしなくなる
経理の方が辞めるようになり、頻繁に経理職の募集が出るようになります。
なぜかというと、経理部門はお金を握る部署ゆえ、会社の財務状況が簡単に理解できるようになります。
つまり債務超過や、売掛金の未払いなどが頻繁に行われている場合、経理の方は倒産リスクを感じ退職をしていく傾向にあります。
求人広告の過去のアーカイブなどの履歴を見て、経理の募集などが頻繁に行われているような形跡があったら、少し注意深く見ることが重要です。
【予兆3】頻繁に経営会議が行われている
会社の経営を揺るがす状況が多くなると、頻繁に臨時の経営会議が行われるようになります。
その中では資金繰りなどのシビアな話が設けられる機会が多く、取締役含めて役員は会議に出席します。
通常定例の役員会議であれば月に1回、多くても週に1回程度の頻度で行われるのが通例です。
しかし、毎日夜遅くまで会議で集うような状況があった場合には注意深く観察をしましょう。
資金繰りについて議論がなされ、ダメだった場合には再度議論を経ていくため、資金繰りを中心とした議論が経営会議にて頻繁に行われるようになります。
【予兆4】代表が自社の会計を理解していない
非常に危険な兆候ですが、代表が自社の支出を把握していないケースがあります。
売上金額に関しては把握されているケースが多いのですが、販売管理費、設備投資費、特別支出などの会計項目を理解しておらず、経理や会計士に任せっきりの企業も少なくありません。
こうなると、どんぶり感情の経営になってしまいます。
結果、売上はあがっているものの、経費がかさむことで利益率が悪くなっていることに気づかないために改善をしていない場合が多いです。
売上が落ちた瞬間に支出が抑えられず債務超過となり倒産という状況になりかねません。
代表はとにかく細かいぐらい自社の収支に関してはチェックしているのが普通です。
このあたり、よく聞く言葉ですが実はよく分からない、資本金の謎について「資本金の平均額っていくらなの!?【資本金に関する疑問を全て解消】」で解説しています。
【兆候5】全体的に社員の離職率が増加傾向
ベンチャー企業は一定の厳しさがあります。
当然収益が安定をしているわけではないために、営業などの目標値も厳しく、とにかくハードワークをする場合が多いです。
ただ、社員のモチベーションは将来的な会社の成長に対して夢を持ち、明るく勤務をしている場合がほとんどです。
しかしながら、経営者が夢を描くことができず、ただただ辛い毎日を送るというベンチャー企業も少なくありません。
そうなってしまうと頑張る源泉が失われ退職者が続出してしまい、常に人が辞めては募集をするというサイクルが生まれます。
ちなみに、残念ながらベンチャーの中でもIT系の企業は倒産兆候が高いと言われています。「安易にITベンチャー企業への転職はやめとけ【危ない理由を解説!】」で詳しく説明をしています。
下記のようなサイクルに陥るようになります!
また、採用費も昨今は高く、それだけの支出を継続して行うと、本業の利益を当然ながら圧迫をします。
そのような状況が続くと経営状態が悪くなり倒産リスクが高まります。
俗に言うブラック企業というものですが「転職先企業の選定に迷う場合の対処【ブラック企業の見分け方を解説】」にて、転職活動時に見分けられる方法を解説しています。
【兆候6】新規顧客の開拓が中心でビジネスが回っている
新規取引が増えているのは良いことですが、新規を常に開拓をし続け、既存の顧客が離れてしまっている状況が続くのは好ましくありません。
裏返すと、既存のサービス自体が顧客に受け入れられず、リピーターが少ないという状況では事業を伸ばすためには新規顧客の開拓が不可欠となります。
一般的に新規顧客は1社との取引をするためのコストが高くなる傾向にあります。
既存顧客に継続的に利用をいただくよりも収益を圧迫する傾向があります。
そのため、常に新規顧客ばかりを相手にしている企業になると安定基盤は難しくなります。
ここは面接のヒアリングを通じて把握されることをオススメします。
【兆候7】主要取引先が倒産をした
目的の会社の主要取引先などが倒産をした場合については、連鎖倒産が考えられるため要注意です。
これは、取引先などが倒産をして、その会社にあなたの会社が納入をしていた場合には、その売掛金(販売代金)が回収できません。
そのため、急激に資金繰りが悪化をして倒産をするケースを指します。
連鎖倒産の多くが、資金が回収できない可能性がわかると、回避の案について話し合われます。
ただ、どうしても話がまとまらず、納入代金が未回収となります。
その会社に大きな資金繰りの危機がきたとしても、あなたの会社に融資をしている銀行への支払いはなかなか待ってはくれません。
つまり、銀行の支払い期日は残念ながらやってきます。
そこで支払いができなかった場合には「不渡り」という形の処分を銀行から受けます。
つまり、2度目の決済期日を迎えるまでに最長2ヶ月ほどの時間がかかるため、その間に察知ができたら早急に転職活動を進めましょう。
この不渡りを2回繰り返すと銀行から預金口座が差し止められ、事実上倒産という形になります。
倒産企業を回避するために、自分にできることはコレ!
倒産するベンチャー企業かどうかを判断するためには、下記の「4つ」の対策が誰にでもできるものとしては適切です。
決してその会社に入社をしていなくても、外部から判断できるものもありますので、転職活動などでベンチャーを選ぶ際には活用ください。
対策内容まとめ
- 会社データの◯◯という部分は必ずチェックをする
- 口コミサイトを活用して、◯◯が異常に多くないかを確認する
- 会社の◯◯が転々としていないかを確認する
- 重要な◯◯が退職をしていないかを確認する
【対策1】会社データの「ここ」は必ずチェックをしておく
- 売上額/従業員数(1人当たりの生産性)の同業他社との比較
- 貸借対照表で借入金額が多い(負債の割合が80%以上は極めて危険)
- 損益計算書で3期以上の経常赤字が生じているかどうか
- 売上高か利益額が前年比20%以上減っていないかどうか
上場企業であれば、有価証券報告書などの決算情報がHP上で開示をされているため上記は容易に確認することができます。
ただ、未上場会社であると開示義務はありませんが、官報を通じて業績開示がされていたりします。
そのため、必ず転職を行う際には官報をチェックして、上記の4つの項目について該当がないかどうかを確認するようにしましょう。
ただ、ここで1点注意となりますが、上記の4つに該当をしたとしても、必ずしも倒産をする会社かどうかは言い切れません。あくまで兆候というだけになりますので、複数の情報を掛け合わせて総合的に判断をすることが大事です。
【対策2】初回面接では下記を訪ねるようにする
少し聞きにくいことかもしれませんが、人事担当者に対して「面談の際に意見を伺う」程度の問いかけで尋ねてみましょう。
少なくとも下記の点については尋ねて情報として抑えるようにすることで倒産リスクを回避できます。
ポイント
- 顧客先が新規中心なのか、それとも既存が中心なのか、その割合について
- 同業他社と比較をして収益性は高いのか、低いのか、またその理由は何か
- 離職率はどの程度なのか、また直近1年間の数値はどのようなものか
- 全体的に賃金上昇が毎年どの程度あるのか
当然うかがえることは決して多くはありませんが、少しでも疑問に思うようなことがあれば、一度立ち止まっていただき、面接を継続するかどうかのジャッジをするようにしましょう。
少なくとも上記をヒアリングすることで、同業他社と比較をしての相場がわかるようになるため、会社が成長する可能性が高いのか、それとも縮小をしていく可能性が高いのかを判断できるようになります。
【対策3】取引先に知り合いがいた場合には、聞いてみる
自社の支払い状況であったりが遅延なく行われているかどうかを聞いてみると良いと思います。
あまり深く聞いてしまうと取引先も不安に感じ風評被害に繋がりかねないため、やんわりと確認をしてみる程度になりますが有効な手段です。
経営が厳しくなると、取引先に支払いの遅延を申し出ていたり、無断で支払いをしていないケースがあったりします。そのような予兆が生じた場合には危険と思っても良いと思います。
特に、取引関係にある場合は「支払いの遅延」や「支払日の変更などの申し出」がないかどうかは必ず確認するようにしましょう。
【対策4】退職をした方に聞く
当然様々な理由で退職をしている方がいらっしゃいますので、一概に倒産リスクのためと決定づけるのはできませんが、退職が万が一会社の倒産リスクによるものであれば、親しい友人であれば教えてくれる場合もあります。
そのため、退職をした方にやんわりと、なぜ辞めたのかを伺い、倒産の予兆を感じたものであれば、あなたもすぐに転職活動をスタートしましょう。
ちなみに口コミサイトの傾向としては、その会社に「大きな不満」を抱えた人が投稿をする傾向が高いとのことです。
万が一倒産をしたら給与はどうなるのか
結論、支払われる可能性が高いため、ひとまずは安心をしてください。
というのも、倒産をした場合においては、労働者に支払われる「賃金」に関しては支払い順位が高く、会社が持っている資金から優先的に支払いが行われます。
そのため、満額支給を受け取るのは可能性としては高いと言ってよいです。
ただ、会社の資金が全くないという状況だった場合には当然ながら支払う原資がないため、受け取れる可能性が低いです。
ただ、倒産にはその時の状況など様々な状況が生まれますので、自身の給与については確実に受け取りたいという場合には弁護士に相談の上、適切な処理を進めていただくことをオススメします。
ただ、ベンチャー企業にはストックオプションという夢の制度が存在したりします。「【ストックオプション体験談】億万長者への道・損しない行使周りの解説」で詳しく解説をしていますので是非ご覧くださいませ。
ベンチャー企業は急成長をする可能性を秘めている反面、あまり語られないのが倒産をするリスクも高いという事実。
万が一にでも入社をした会社が倒産をしないためにも本記事をご覧いただき参考にしていただき、とにかく回避をするということを意識して転職活動を進めましょう。
コメント内容は、丁寧に拝見させていただきます!