良いことだらけの制度か?【社員持株会メリット・デメリットを解説】

こんな方の悩みに解決する記事を書いています

Aくん

新しく入った会社で社員持株会という制度があるんだけど、どんなものなのかわからないので活用ができていない。

Bさん

社員持株という名前の通り、株の運用をしていくようなものだとイメージしているけど、なんか難しそうでとっつきにくい。

Bさん

この制度ってメリットだけでないと聞いたけど、デメリットはどんなものがあるんだろう。

こんにちは、慎です。

社員持株会という制度が存在をするのはご存じでしょうか。

この制度は全ての会社に存在をするのではなく、主に上場企業に存在をしており、社員が自社の株を購入し保有できる制度となっています。

この制度は社員に対しての福利厚生の一環として提供をされているものです。

当然ながらデメリットも存在をしますが、メリットも多数あるので、自分のライフスタイルに合わせて、同制度を活用される方も多くなっています。

この制度は一長一短ありますが、そもそも加入できる会社が限定的であることや、制度を行使することで一定の資産形成ができるようになります。

そのため、在籍している企業で加入を悩まれている方に対して有効な解説です。

あっきー

今度うちの会社で従業員持株会というのが制度として加わるみたいなんだけど、自社株とか売買益とかよくわからない。

この制度がどんなものなのか教えてほしいんだけど。

そうだね、株式の知識がないと少しとっつきにくい側面もあるから、自社に制度はあるけど、活用できていないという人も多く存在するようだね。

なのでしっかりとした知識を得て、メリットに感じたのであれば活用を検討してみるといいよ。

この記事を書いている人

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本記事では、メリットとデメリットについて解説をします。また、機会あって制度を利用できるようであれば、その際に正しい判断で本制度を利用することができるようになります。

目次

そもそも、社員持株会とはどんな制度なのか

あっきー

あの〜、聞きにくいんだけど、そもそも社員持株会ってどんな仕組みなの?

そうだよね。この制度を知る前に、会社と株の関係について説明をして、その後の制度についての全容を伝えるようにするね!

株式会社は株を発行して資金調達をする

会社は事業運営をしていくにあたり、多額な資金が必要となります。

その資金を調達するひとつの方法として、株式を発行して、それを出資者(株を購入する人)が購入をすることで会社は資金を手にします。

出資者は株を購入することで、その会社を支援することになり、会社が成長をすれば、出た利益については一定出資者に分配をされることになり出資者の利益となります。

また、会社には株式を通じて資金調達ができ、事業を拡大するための資金として活用をすることができるようになります。

株式を購入する出資者は毎年、会社が出た利益を一定額分配をされる仕組みです。

長期的に資金を得られるメリットがある傍ら、会社が倒産をしてしまった場合には、投資した資金が戻ってくることはなく一定のリスクが存在をします。

株は上場をしていないと購入できないのか?

会社が上場をすると、東証などのマーケットを通じて一般の投資家を募ることができるようになります。

そうなると会社はより多額の資金を容易に調達することが可能となり、さらなる事業拡大を図ることができます。

一方で上場をしていない企業においてはマーケットに株式が公開されていないことで一般の投資家が購入できません。

そうなると、未上場の会社は株式を購入できないのでは、と思いがちですが、そうではありません。

会社が定める規定に則り未上場の企業の株式は購入することができますが、当然ながら限定的であり、容易に売却をすることもできません。

未上場企業での株式売買は一般の方はあまり馴染みのないものとなっています。

後述をしますが、未上場企業においても、この社員持株会などを設置して、従業員の方が株式を購入できるような仕組みを取り入れている会社も存在します。

本題です、社員持株会とはどんな制度なのか

あっきー

社員持株会という制度はどんなものなのか詳しく教えてほしい

そうだね、社員持株会はどんな会社に設置をされていることが多いのか、そしてどんなメリットがあり、デメリットがあるのかを説明していくね。

社員持株会は、一般的には上場をしている会社に存在をしていることが多い

図:従業員持株会のしくみ
出典:野村證券「従業員持株会」

社員持株会は上場をしている会社に「従業員持株会」という自社の株を購入できる窓口を設置し、そこを介して従業員が自社の株を売り買いすることができるようになります。

この従業員持株会が代表をして、証券会社を通じて株式市場で株の取引をしていきます。

この持株会というのは民法に基づき設立される「組合」と位置付けられていて、従業員の資産形成を支援する目的で設置をされることが多いです。

ほとんどの上場企業ではこの持株会が設置をされていることが多く、勤めている企業が上場企業であれば、この持株会の存在についてはチェックをすることをお勧めします。

上記の図のように、従業員が社員持株会に対して毎月、あらかじめ設定をした一定額の資金を従業員持株会に供託します。

この金額は1000円から設定をすることができ、上限金額に関しては会社の定めにもよりますが、10万円程度まで設定をすることができます。

企業が制度を導入するメリットについて

この制度は「社員持株」という名称ゆえ、社員にのみメリットが与えられると思いがちですが、会社にも多大なメリットがあります。

主に下記の3点において会社はメリットを享受することになるため、現在ではほとんどの上場企業が本制度を取り入れています。

【メリット1】従業員のモチベーションを高められる

会社業績が好調であれば、株価は高まり会社はより多くの資金を調達できます。

その株価を高める要因として従業員の活躍があります。

そのため、従業員に株式を購入いただき、自分自身の活躍がこの株式に影響をしているという意識を持たせることにより、モチベーションアップを図ることができます。

【メリット2】敵対的な買収に対しての予防策を講じることができる

上場企業は一般の投資家でも株式を購入することができるようになるため、大量の株を購入し会社の運営権を取得することも外部の方が可能になります。

そのための防衛策として持株会を通じて社員が保有をする株式が多くなれば、外部からの容易な買収を防ぐこともできるようになります。

【メリット3】従業員に一定の資産形成を促せる

長期的に雇用をしていくのであれば、従業員が安定的に収入を確保し、貯蓄をして生活の不安を取り除くというのは会社にとって有益なことです。

そのため本制度を通じて株式という形で積み立てを行えばある程度貯蓄を促すことができ、生活の不安を感じさせることなく勤務をしていただくことができるようになり、安定雇用につながります。

従業員が得られるメリットについて

従業員が得られるメリットは多大にありますが、持株会に参加を悩まれている方に対して、わかりやすいメリットを下記に伝えるようにします。

従業員にとっては主に3点ほどのメリットがあります。

【メリット1】少額からスタートをすることができる

本来株を購入する場合には、数万円からでしか購入ができないことがほとんどです。

仮に市場に出回っている株式が1株100万円だったとして、この株を1株手にしたいのであれば、100万円かかるため、なかなかすぐに手出しをすることができません。

しかし、この制度は1000円から始めることができ、その積み立ての合算金額で、従業員持株会は市場を通じて株を購入していくため、少額からスタートできることは魅力の一つです。

【メリット2】奨励金という魅力的なものが存在する

投資をした金額に対して毎月一定額の奨励金というものを会社が提供します。

これは会社によって金額はまちまちですが、投資をした金額に応じて10%程度が会社が奨励金として与えられます。

この奨励金は必ずしも10%ではなく、会社によっては20%と定められている場合もあるので、必ずチェックをしておくことをお勧めします。

社員持株会を利用せず、毎月の給与を銀行で預金している人も多いと思いますが、ほとんど利息も得られないため、増やすということは難しいでしょう。

しかしこの社員持株会を通じて奨励金を毎月得られれば、投資をした金額に対して10%の利回りが確定をしているようなもので元手の資金を増やすことができるようになりメリットがあります。

【メリット3】安定的な資産形成ができるようになる

これは、毎月定めた金額を会社が天引きする形で徴収をします。

そのため一定額の貯金が強制的に行うことができるようになり、あまり意識をしなくても安定的な資産形成ができるようになります。

そのため銀行に貯金をしていてもお金は増えないけど、従業員持株会を通じて貯蓄をしていければ、奨励金や株価UPなどにより、将来の資金を積み立てられると感じ制度を利用する方が多いです。

メリットばかりではない、当然ながらリスクもある制度です

あっきー

従業員持株会という仕組みがわかってメリットもわかったけど、当然ながら株式を購入するということはデメリットやリスクもあるんでしょ?

うん、この制度はリスクもあるため、それを敬遠して加入を見送る方も存在するんだ。

従業員持株会で購入をするのは「自社株」です、株価が下がる要素もある

株価は常に好調であれば良いのですが、会社業績が低迷をしていくこともあったり、場合によっては会社が倒産をしてしまうリスクがあります。

この制度を通じて購入をするのは自社株なので、当然ながらその1社の株価が低迷をすれば、自分が投資をした金額を割れてしまうこともあるため、注意が必要です。

また倒産をしてしまった場合には、この資金については返ってくることはありません。

一方で銀行での貯金であれば、仮に銀行が倒産をしてしまったとしても1000万円までは補償をされるため、リスクとしては軽減をすることができるようになります。

あくまでこの制度は自社株に投資をするものであって、貯蓄的な側面のみではないことは考える必要があります。

購入をした持株はいつでも売買できるわけではない

通常、上場をしていて市場で取引をされている株式であれば、いつでも自由に売買をすることができます。

従業員持株を通じて売買をする場合には会社に申請をして、それが受理をされた段階で売買をすることができるようになります。

また、掛け金についても変更がある場合には会社に申請をして手続きをする必要があり、変更をするタイミングも決まっているため、すぐに調整をするということが難しくなります。

あくまで、この従業員持株会は長期的に資産形成をする目的で設置をされていることが多く、短期的な売買をしていくようなものではないため、変更等々も一般の市場と比較をすると容易にはできないことは注意が必要です。

退会をした場合、再入会は原則できない

従業員持株制度に加入をし、毎月一定額の金額を設定しますが、月によっては物入りになって金額の変更をしたいと思うこともあると思いますが、月によっての変更はできません。

また、この従業員持株会に入会をして、退会をした場合には再入会することはできません。

もし、設定をした金額が毎月の重荷になっているのであれば、投資金額の変更タイミングなどに減額をするなどの手続きをとって、調整をしていくことで対処をして、退会をすることなく制度を継続していくことがオススメです。

社員持株会というのは、会社の業績が好調な際にはとても魅力的な制度に映りますが、業績が低迷をして株価が下がっている場合にはあまり良い制度ではありません。

そのため制度加入のタイミングがあったら、長期的に会社は存続できるのか、自分が無理なく支払える金額はいくらか、株価が低迷をした時のリスクは許容できるのかなどを考え、加入を検討することをオススメします。


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