勤続年数の平均値が短い企業は離職者が多くてブラック企業なんじゃないか。この数値だけをみると応募をする際に躊躇をしてしまう。
そもそも、この勤続年数の算出方法ってどんなものなんだろうか。この数値が長ければ良いというイメージはあるけど、間違っているんだろうか。
この数値が長い場合にはメリット多数なイメージがあるけど、デメリットはないんだろうか。
こんにちは、慎です。
企業情報の収集をしていると、必ず辿り着くのが、勤続年数の平均値という表記。
これは一体どんな計算方式で何を表すものなのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
結論、勤続年数は大事な目安にしたいのですが、数値の見方として正しい解釈が必要なんです。
上場をしている場合には、有価証券報告書に勤続年数の記載があります。
これは株に影響をする事柄ゆえ、開示をしていることが一般的で、多くの企業の書類に記載をされています。
ただ、この数値は転職活動においては参考にすべき数値なのでしょうか。
私自身もよく転職相談を受ける中で、勤続年数が長い企業を推薦してほしいという要望を転職者からいただくことがあります。
この相談の意図としては、長く働ける可能性が高いイメージを持てるからですが、はっきりと伝えると、その捉え方は半分正しくて、半分間違っています。
確かに長く勤務をしている方が多い職場であることは間違い無いのですが、それが果たして良い会社なのかは別の問題なのです。
この勤続年数の捉え方について本日は詳しく解説をしていきます。
この記事を書いている人
- 人材業界経験17年目
- 転職経験3社
- ブラック企業での勤務経験あり
- 2000名以上の転職相談
- 1000社以上の支援実績
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- 現在は人材紹介に従事
転職経験ゼロの方を中心に、不安を取り除き安心できる転職ノウハウや、会社の「リアル」な側面を余すことなく解説しています。
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本記事では、正しい「勤続年数」の判断軸を理解することで、応募の際に自信を持って企業にエントリーすることができるようになります。また、年数の長い・短い上での利点も理解をすることができ、転職を優位に進められます。
勤続年数が長いことでの「メリット」について
まずは前提情報として、この有価証券報告書に記載をされている勤続年数について正しい知識を身につける必要があります。
どのような計算方式であるのかをお伝えします。
勤続年数の計算方法について
平均勤続年数とは、集計段階で勤務をしている社員の勤続年数の平均値です。
そのため急成長をした会社などで新卒社員が多かった場合においては、当然ながら勤続年数の数値は短くなります。
逆に大手の企業で何十年も勤めている方が多い職場では勤続年数が長い傾向にあったりするため、一概にこの数値が短い期間だったとしても、ブラック企業というわけではありません。
だとすると、社員全体が10名居て、そのうちの2名が10年勤めているけど、残りの8名は1年だったとしたら、20+8が年数となり、人数で割ると2.8年となるんだね。
2.8年という表記自体は短いイメージになるんだけど8名の方が全員定着をして、翌年度を迎えたら3.8年と急増をする形に見えてしまうよね。
だったら、あんまりこの数値というのは低かったからといって離職率が高い会社かどうかなんてことは、あんまりわからないわね。
その結果、年数が長い企業だと断定できたのであれば、下記のようなメリットが享受できるようになるよ!
人が定着をしているため、経験が豊富な社員が多い
人が定着をすれば、当然ながらその会社にナレッジが蓄積をされます。
それがつまり流出をしない状況ゆえ、社内には多くの知見を持った方が在籍をすることとなります。
そうなることで、他社との差別化を図り、競合優位性を築くことにもつながる可能性があることがメリットとして挙げられます。
人が定着をする福利厚生などの制度が整っている
人が定着をするためには給与面や福利厚生面などが整っていないと難しい。
なぜならば人は歳をとると様々なライフイベントを経験することになり、とにかくお金がかかります。
子供が1人生まれるだけで20歳までに2000万円近くの資金が必要になり、住宅を構えたら、ローンも支払っていく必要があるためです。
そのため、人が定着をし、年輩の方でも勤務ができるような状態にするためには、ある程度の給与の還元が行われないと定着は難しいです。
その結果、定着をしている企業においては制度等々が充実をしていることが挙げられます。
確かに制度等々が充実をしていないと定着は図られないもんね。このようなメリットは転職者にとってみたら大事なことね。
そうだね。確かに長く勤められる会社に転職ができるってことはメリットだよね。でもね、一方ではデメリットも存在をするんだ。
勤続年数が長いことでの「デメリット」について
上記メリットを記載をしましたが、デメリットもしっかりと存在をします。
特に入社をしたばかりの方であれば、このデメリットを被りやすい可能性があり、注意深くみていく必要があります。
ポストが埋まっている可能性があり、新規登用がされにくい
新しい事業も展開していない企業で定着率が高い場合には組織の新陳代謝が行われていない可能性が高く、ポストが埋まってしまっている可能性があります。
そうなると優秀な方であっても登用されにくい場合があります。当然企業には定年退職によって毎年一定の退職者は存在しますが、中堅の年齢層の方が多い職場では、定年を迎える方が少ないです。
その間はポストが輩出されなくなります。
辞めさせない事が横行をしていて、活躍しない人も留まっている
やめる事がレピュテーションリスク(風評被害)に合う可能性があります。
そのため企業は人の定着に対して過敏に意識をして退職を止めるように働きかけています。
しかし、活躍をしていない方であれば組織にいても大きな収益につながることはなく、逆に辞めていただいたほうが組織全体の収益を上げることになります。
それを踏まえても辞めさせない企業というのは一定存在をします。
つまり、そうなってしまったら、適正に評価をを受け取ることは難しいです。
不本意な評価を受けたまま、なんとなく在籍をしている状況も生まれやすく、非常にぬるい環境の組織になってしまう可能性があります。
なるほどね、確かに最近では離職率が高い=ブラック企業と捉えられることも多いもんね。
その傾向もあるよね。そしてポストが埋まってしまっている場合には、活躍の機会が得られないと考えて離職を考える人も増えてしまうよね。
勤続年数だけを鵜呑みにするのはダメ。この情報も必ずチェックしよう
募集が行われているかを確認する
ポストが埋まっていることに対しての改善が図られているかを確認するためには新しい部署や、職種での募集が行われているかどうかを見てみましょう。
これは企業の採用情報ページなどで、新設部署などが多く作られている様子や、新しい分野の人材が登用をされているケースではよいのですが、そうでない場合にはポストは埋まってしまっています。
その結果、なかなか希望の役職に到達するまでに時間がかかるケースが存在をします。
人材紹介会社などのサービスを活用して転職活動を行なっている場合には担当者に聞いてみましょう。
多くの人材紹介会社は勤続年数や組織の状態というのをヒアリングをしていたりしますので把握しているはずです。
そこで得た情報を鑑み、勤続年数が長いことへの捉え方を決めていくようにしましょう。
社内の雰囲気をクチコミサイトで確認をする
クチコミサイトには結構いろんな情報が記載をされています。
仮に活躍をしていない社員の方が多い組織では、クチコミサイト上に批判のメッセージが多数書かれていることが多いです。
そういうコメントを見かけたら要注意です。
単に辞めさせない風土があり、新陳代謝がされていないがゆえに勤続年数が長くなっているだけかもしれません。
特に下記のコメントを見かけたら要注意です。
- 異動がほとんどなく、ポストも埋まり切っているため、長期的な活躍イメージがない
- 若手社員ばかりが働かされていて、年輩社員があまり仕事をしていない
- 社内がとにかく緩く、不正行為も横行をしている
- 年功序列制度が取り入れられていて、仕事の成果は少ししか評価に反映をされていない
まとめとなりますが、勤続年数が長いということは良い事ではありますが、必ずしもメリットしかないとは思わずデメリットを探すようにしましょう。
勤続年数が長いということはあなたの活躍するポストも少ない可能性があり、自分が希望する職場風土かどうかは必ず抑えておくとよいです。
下記は当サイトのまとめ記事になっています。転職初心者が最短期間で実現する方法をイチから順番に解説をしています。ご覧いただくことで、いざ転職を考えた時に「無駄なく、効率的に、誰よりも可能性高く」行えるようになるので必見です。
コメント内容は、丁寧に拝見させていただきます!